東京電力は11月５日、福島第１原発４号機使用済み燃料プールからの核燃料取り出しで、放射線量が高い使用済み燃料1331体の移送を終えたと明らかにしました。折れ曲がるなど損傷した３体も含め、別建屋の共用プールに移しました。

　残る新燃料も、12月中には取り出しが完了する予定です。しかし、燃料が溶けた1～３号機のプールからの「取り出しは、放射線量がきわめて高いため、作業の障害になっています。

　４号機は2011年３月の事故発生時転停止中で、使用済み燃料、未使用の燃合わせて1535体の燃料集合体が建屋上部の燃料プールに保管されていました。事故直後に、プールの冷却装置が停止し、その後、建屋上部も水素爆発で崩壊。燃料がむき出しになって、放射性物質が大量に放出される恐れがありました。

　東電によると、昨年11月の作業開始時点で、燃料プールには1533体が保管されていました。５日時点では新燃料１８０体が残っています。

　３体は、事故前に移動させた際などに損傷しており、専用の輸送容器で移送。1体は「く」の字に折れ曲がり、２体は燃料を覆う容器に微細な穴が開いていました。  　　　  

圧力容器内の金具にゆがみ・・浜岡原発３号機

　中部電力は11月５日、運転停止中の浜岡原発３号機（静岡県御前崎市）で、庄力容器の中にあるステンレス製の揺れ止め金具に、分断やゆがみが計５ヵ所見つかったと発表しました。原子炉内を水中カメラで検査していたところ、見つけたといいます。詳しい原因を調査します。

　中部電によると、金具の変形があったのは、原子炉から発生した蒸気に含まれる水分を分離する気水分離器。ステンレス製金属管（直径約30センチ、長さ約２・７メートル）２２５本で構成されますが、それぞれをつなぐ金具（幅約13ミリ）に、1カ所の分断、４ヵ所のゆがみが見つかりました。

　中部電は今月から、気水分離器の検査を始めていました。

（「しんぶん赤旗」2014年11月6日より転載）