鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市の九州電力川内原発1、2号機の運転差し止めを求める「原発なくそう!九州川内訴訟」の原告のうち23人が、九電に対し再稼働しないよう求めた仮処分申請で10月24日、3回目の審尋が鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)でありました。審尋後、住民側弁護団は会見を開き、次回の11月28日で終結する可能性が高いと話しました。
審尋は非公開で行われました。住民側によると、「原子炉施設の機器や配管の耐震安全性は保障されていない」と指摘したといいます。九電側が主張する「耐震安全上の余裕が確保されている」との主張に対し、住民側は「機器や配管の余裕の根拠が薄い」と訴えたと話しました。
汚染処理水の海への放出計画
福島第1原発の放射能汚染水の増加を抑制する対策の一環として、建屋周辺の汚染地下水をくみ上げて浄化設備で処理した後、海に放出する計画。東京電力は、1~4号機建屋周辺に設置された井戸(サブドレン)や護岸近くの井戸(地下水ドレン)で1日当たり500~700トンの地下水をくみ上げ、浄化設備で放射性セシウムやストロンチウムなどを低減させてから、港湾内に排水するとしています。トリチウム(3重水素)は除去できません。浄化装置の性能試験を8月に開始。これまでにサブドレン42カ所のうちトリチウム濃度の高い2カ所を除く40カ所からくみ上げていたほか、10月24日に地下水ドレンから使用前検査のためのくみあげを始めていました。処理後の水の海への放出については、漁業者を中心に反発や懸念の声が広がっています。
(「しんぶん赤旗」2014年10月26日より転載)