原子力規制委員会は10月21日、原発再稼働の前提となる規制基準への適合性審査会合を開き、九州電力川内原発(鹿児島県)1、2号機の「保安規定変更認可」と、1号機の「工事計画認可」の補正申請に関し、初の公開審査を行いました。九電が補正申請の概要を説明しましたが、規制委側から「申請書は概要的な説明に終始している。内容の充実をはかってもらいたい」「審査する上で情報が不足している」などの意見が出されました。九電は今後、ていねいに説明したいと答えました。
九電は8日に、川内原発1、2号機の保安規定変更と、1号機の工事計画の補正申請書を規制委に提出。詳しい仕様などを記した工事計画の補正は2万ページに及びます。
また保安規定は、運転管理に関する事項や事故時の体制などが定められています。火山対策に関しては、破局的噴火発生の恐れがあると九電が判断した場合、専門家らの助言を得た上で、社長が原子炉の停止などを決定。核燃料の搬出なども検討するとなっています。しかし、移送先は未定といい、この日に示された火山活動のモニタリングの対応でも具体的な計画・手順は示されませんでした。
川内原発のある九州南部には過去に巨大噴火を起こした火山が複数あり、3万年前の姶良(あいら)カルデラの噴火など火砕流が到達した可能性があることを九電が認めています。しかし、川内原発を運転する期間に破局的噴火が起こる「可能性は十分小さい」として、モニタリングで監視する方針で設置変更が許可されました。これに対し、多くの専門家からは噴火を予知するのは困難との指摘が出ています。
(「しんぶん赤旗」2014年10月22日より転載)