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再生エネより原発優先・・「固定価格買い取り制度」を大幅見直し

 経済産業省が大規模太陽光発電所の認定を凍結するなど、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」を大幅に見直す検討に入ったことに対し、普及の後退を懸念する声があがっています。

 経産省は太陽光偏重を改め、他の再生可能エネルギーの導入を推進するとしています。再生可能エネルギー拡大策の柱となってきた買い取り制度の問題点が浮き彫りになりました。

 2年前に導入された「固定価格買い取り制度」で太陽光発電の事業申請が急増。政府が認定した買い取り対象の設備の9割を占めるまでになりました。これに対し、九州、東北など電力5社が「電力の安定供給に支障がある」と買い取り手続きを相次いで中断しました。

 鹿児島県の川内(せんだい)原発再稼働を狙う九州電力は約7万件もの買い取りを拒否しています。市民ファンドが計画している太陽光発電所が送電網への接続に巨額の設備投資を求められた事例もあります。

 背景には、原発再稼働に力を入れる国が太陽光発電の普及を想定した対策をとってこなかったことと、再生可能エネルギーより原発を上に置く電力各社の消極的な姿勢があります。

 10月15日に開催された経産省の新エネルギー小委員会では委員から「制度の問題であり、再生可能エネルギーを悪者扱いにしてはいけない」との指摘や、普及の拡大へ「前向きの議論が必要」との声が出されました。

 日本の再生可能エネルギーの総発電量に占める割合はわずか2・2%。世界的には「後進国」です。温暖化対策からいっても再生可能エネルギーの拡大は待ったなしの課題です。普及の動きに、ブレーキをかけてはなりません。

(矢守一英)

(「しんぶん赤旗」2014年10月21日より転載)

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