茂木敏充経済産業相は3月30日、福島県相馬市で地元漁業者と意見交換し、放射能で汚染される前の地下水を海に放出する「地下水バイパス計画」に関し、「(4月に最盛期を迎える)コウナゴ漁が終わってからできるように検討したい」と述べ、5月にも開始する考えを明らかにしました。
地下水バイパスは、東京電力福島第1原発の汚染水を減らすため、原子炉建屋に地下水が流入する前にくみ上げ、海へ放出する計画。
茂木経産相は、反対していた福島県漁業協同組合連合会(県漁連)が25日に計画を容認したことについて、「苦渋の決断をしていただいた。難しい意見集約をしていただいたことに敬意を表したい」とのべました。県漁連は地下水放出基準の厳守などを要望し文書で回答を求めています。茂木経産相は意見交換後、記者団に対し、4月4日に回答する考えを示しました。
意見交換では、汚染水の放射能を大幅に低減する装置「ALPS(アルプス)」でも取り除けないトリチウムを含む水を海に流さないよう求める声が出ました。茂木経産相は「理解が得られない中で海に放出することはない」と語りました。
4号機の核燃料・・移送作業を再開
東京電力福島第1原発で、4号機の使用済み燃料プールから核燃料を移送する作業がクレーンのトラブルで中断した問題で、東電は30日、作業を再開したと発表しました。
26日に燃料の輸送容器をつり上げるクレーンが作業員の誤操作で停止。東電は30日正午、クレーンに異常はないことを確認したといいます。トラブル発生までに550体が共用プールヘ移され、4号機のプールには983体が残っていました。