NHKスペシャルは4月20日(後9・0)、25日(後10・0)にシリーズ「廃炉への道」を放送します。
東日本大震災で三つの原子炉がメルトダウン、史上最悪規模の事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所。現場では、溶け落ちた核燃料を取り出し、強い放射性物質を帯びた原子炉を解体する「廃炉」の作業が始まろうとしています。
国や東京電力が、「廃炉」が完了するまで、30年から40年はかかるとしているなか、三つの原子炉を「廃炉」し、避難した住民を帰還させるという試みはどのような経過をたどるのかを検証します。
20日は、「廃炉・果てしなき道」。アメリカ・スリーマイル島原発の廃炉作業の全工程を記録した内部映像から、廃炉作業とはどのようなものなのか、何が障壁となりうるのか、関係者の証言なども加えながら探ります。
また福島第1原発での「廃炉」の第一歩となる「放射性物質の封じ込め」に苦闘する姿を追います。さらに事故から28年がたつチェルノブイリ原発の避難民の今の姿から、放射能の肉体的・精神的影響を探ります。
25日は「廃炉作業 誰が担うのか」。廃炉には作業員の確保が欠かせません。高線量の現場での作業は人海戦術を取らざるを得ませんが、繁忙期と閑散期が繰り返される不安定な発注状況や、労働条件が割に合わないなどの理由で、作業員が廃炉現場を離れていく実態があります。
数十年続く廃炉の担い手を確保していくにはどうすればいいのか。「廃炉」実現へ向け、現場の作業員を長く安定的に確保し、持続可能な体制を構築するために、国は、東電は、そして社会は何をすべきなのかを考えます。30年近くチェルノブイリ原発の廃炉作業を続けるウクライナでの、作業員を確保する仕組みなども紹介します。