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吉田調書が語るもの(17)・・事故対応の体制、人が少なかった

 

全電源を失った中で、ライトを頼りに計器の確認している様子(1・2号機の計器類を確認する作業員)=2011年3月23日撮影(原子力安全・保安院撮影)
全電源を失った中で、ライトを頼りに計器の確認している様子(1・2号機の計器類を確認する作業員)=2011年3月23日撮影(原子力安全・保安院撮影)

 -AM(アクシデントマネジメント、事故対応策)の体制的なことだが、運転員がいて、その支援組織として、本部と情報班、技術班、保安班、復旧班、発電班がある。

 「その前から、トラブルだとか体制はありましたから、基本的にあまり変わらない」

 -今回の事故で、班が機能しなかったことなどはあるか。

 「組織の問題というよりも人数の問題があって、(中略)計装の人間らが随分被ばくしたりしていますけれども、ここは圧倒的に人が少なかったということがあります」

 -他店から応援の形で派遣されてきたか。

 「特に最初は放射線管理だとか、サーベイ(測定)などの人間が足りない。(中略)柏崎(刈羽原発)から、かなりの応援部隊が来て」

 -普段であれば短くて済むことも、悪条件下で時間がかかる。時間がかかれば、被ばくする確率も高くなる。被ばくすると作業できなくなるが。

 「休ませます」

 -すると、普段の体制を班に移しても、必ず人が足りなくなる。

 「間違いありません」

 -このような事故の場合、他の原発から人を融通せざるを得ないのか。

 「基本的にそうするんでしょうけれども、(中略)柏崎の人を連れてくれば、福島第1の1号機の運転だとかメンテナンスができるかというと、必ずしもそうではないところがありますから、ここは、これからも永遠の悩みネタだと思います」

 ※13日、海水の量が限られ、原子炉へ海水注入で3号機を優先し、2号機を後回しにせざるを得ない状況がありました。

 -とにかく3号機という感じだったが。

 「被ばくしますし、1万人ぐらい人がいて自由に使っていいんだったら、いくらでもやりますけれども、人が限られている中で、優先順位をつけてやらざるを得ないですから、3号機が今、危機的な状態なわけですから」

 ※体制的にも過酷事故の備えがなかったことを示しています。(つづく)

(「しんぶん赤旗」2014年10月6日より転載)

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