日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 「原発事故とは 人・動物の思い 絵本でみつめ」 かけがえない故郷のため・・出版・子どもへの読み聞かせに取りくむ 夢ら丘(むらおか)実果さん

「原発事故とは 人・動物の思い 絵本でみつめ」 かけがえない故郷のため・・出版・子どもへの読み聞かせに取りくむ 夢ら丘(むらおか)実果さん

夢ら丘さんと絵本を読む子どもたち
夢ら丘さんと絵本を読む子どもたち

人間と動物たち双方の目線で原発事故をみつめ、絵本を通して子どもたちに伝えたい−。そんな思いからうまれた絵本が、全国各地で共感を広げています。この絵本は、先月末に出版された『とどけ、みんなの思い−放射能とふるさと』(新日本出版社)です。夢ら丘実果さん(絵本作家)が文を、福島県三春町出身の画家、渡辺あきおさんが作画を担当し、福島県郡山市出身の俳優・西田敏行さんが推薦文を寄せています。(浜島のぞみ)

夢ら丘さんはこれまでも、「命を大切にしてほしい」と自殺予防のために、聖路加国際病院の日野原重明理事長が推薦する、精神科医らとつくった絵本『カーくんと森のなかまたち』を持って、全国200以上の小中学校や幼稚園などで読み聞かせ授業をしてきました。

東日本大震災・原発事故が起こる以前に、読み聞かせのために、福島県内の学校を訪れました。

読み聞かせで知り合った福島の友人たちが、原発事故後、避難生活や除染などで大変な思いをしていることを聞いたことが、『とどけ みんなの思い−放射能とふるさと』創作のきっかけになりました。

物語は、原発事故によって、逃げたくても逃げることができない動物の気持ち、飼い主の気持ちも伝えます。

3月4日、東京都府中市の私立幼稚園を訪問し、年長組の子どもたちに絵本を読み、語りかけました。主人公の猫ミアーサの桧に夢中な子どもたちに「何か起きたか、知ってる?」と夢ら丘さんが問いかけると、「発電所で事故が起こって放射能がもれたんだよ」としっかりと答える子もいました。

「早くおうちに帰れるといいね」と授業の終わりに子どもたちは全員で、目を閉じて願いを込めました。

夢ら丘さんは話します。「美しい地球に住むひとりひとりに、これから、何がきるでしょうか。皆さんと一緒に、私も考えていきたいと思っています。かけがえのない故郷での、心安らかな暮らしのために」

 

 夢ら丘さんは、全国の小中学校や幼稚園などから読み聞かせの依頼も受け付けています。 電話042(339)8326。メールmka@tama.or.jp

 4月5日(土)には紀伊国屋書店新宿本店6階読み聞かせスペース(電話03・3354・0756)で渡辺さんと共に、読み聞かせ・ダブルサイン会を開催。午後1時と3時半の2回開催。参加無料。

未来に誇り・・参加者 「原発ゼロ 今後も発信」

『とどけ、みんなの思い』
『とどけ、みんなの思い』

海や葉っぱかわいそう ■「便利に便利に」が行き過きた

子どもたちの感想から

震災から3年を迎えたこの3月、全国各地の学校で先生たちがこの絵本を読み聞かせました。子どもたちから寄せられた感想です。

「故郷の海や葉っぱや木は、放射能を浴びてかわいそうだと思いました」(岡山・小1)

「原発で人と動物がどれだけ苦しんだかがよく分かりました。ふるさとに帰りたい気持ちもよく分かりました」(東京・小4)

「『少しでも便利に便利に』という思いが行き過きたのではないかと思います。福島の人たちの思いをもっと知りたいと思いました。今日(3月14日)の朝も地震があって、香川県でも少し揺れて恐怖を感じました」(香川・小6)

「人間は自分の幸せのために、原子力という小さな力で大きな力を出して楽をしようという考えを持っていたが、それが、大きな事故になり、元は自然が豊かできれいだった場所も、崩されてしまった。私は、ここまでの損害を与える原子力なら使わなくてもいいと思う。人間の欲望がどんどん増え、それで地球を汚しているのが今の現状だ。今現在、私たちは、原子力を使わずに生きているが、特に困ったことはない」(東京・中1)

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