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吉田調書が語るもの(14)・・最後は賭けですよ、消防車で注水

 

1、3、4号機爆発後の構内。消防車が見えます=20l1年3月17曰撮影、東京電力提供
1、3、4号機爆発後の構内。消防車が見えます=20l1年3月17曰撮影、東京電力提供

 ※今回、非常用炉心冷却装置などが機能せず、消防車を使って原子炉への注水が行われました。

 ─中越沖地震後に配備された消防車やFPライン(消火系ライン。消火栓や送水口、配管、ディーゼル駆動ポンプなどで構成)を、AM(アクシデントマネジメント)策として、原子炉注水に使う整備ができなかったか。

 「FPというのは、耐震性だってCクラス(耐震強度で最低)ですから、何かあったときに使えないんですよ。(中略)重要性がそんなにあると思っていないんだと私は思うんです」

 「本当にそれを最終的に注水ラインとして使うんだという意思があるんだとすると、耐震クラスをAクラスにするでしょう。それ以外のラインが全部耐震クラスAだし、(中略)(一番弱い)そういうものを最後に当てにしないといけない事象というのは一体何か、私にはよくわからないです」

 ─所長はどの段階でFPラインを使おうと。

 「結構、最初の段階で」

 ─3・11以前は考えなかった。

 「たぶん、誰も考えていなかったんではないですか」

 ─他の人に聞くと、最後は消防車で水を入れると思っていたと。

 「後づけで言っている人が多いんではないですか」

 「最後に消防車でするんだったら、消防車だってちゃんと何台も買っておけよと。中越沖地震が来るまでゼロではないですか」

 ─消防車を使った注水をAM策で整備しておけばよかったか。

 「令からだったら思いますよ。だけれども、私自身も、賭けだと思ったのは、本当にFPラインで入るんだろうかというのは、最後の最後までわからなかった。(中略)どこかで地震でたたき切れていたら、いくら入れても入らないですね」

 ※原子炉への注水ができなくなるとは考えもせず、それへの対応を真剣に検討してこなかったことを浮き彫りにしています。

(つづく)

(「しんぶん赤旗」2014年10月3日より転載)

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