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川内原発 地元の激変・・「表立って言えないが、反対」

「川内原発再稼働反対」「審査書案撤回」とコールする参加者たち=7月18日、鹿児島県薩摩川内市の九電川内営業所前
「川内原発再稼働反対」「審査書案撤回」とコールする参加者たち=7月18日、鹿児島県薩摩川内市の九電川内営業所前

 原発再稼働に執念を燃やす安倍晋三首相が、「突破口に位置づける九州電力川内原発。原発が立地する鹿児島県薩摩川内市では、住民の意識の激変が起きています。9月28日午後1時から、鹿児島市天文館公園で、「ストップ川内原発再稼働! 9・28全国集会」が開かれます。 (原田浩一朗)

 薩摩川内市で、「さよなら原発いのちの会」など四つの市民グループが、川内原発から約15キロ圏内の1万7000世帯を対象に6月に行ったアンケートには、1133通の回答がありました。同原発の再稼働に「反対」が85%、「原発頼みのまちづくりで市の発展があると思うか」の問いには「発展しない」が68%でした。

自治会が陳情

 8月には、原発から約12キロに位置する山之口自治会(52世帯)から、再稼働に反対する陳情が市議会に提出されました。自治会からこうした陳情が出されたのは初めてです。

 陳情は、「全市民が納得できる避難計画が完成するまでは、再稼働に関する議決をしてはならない」と市議会に求め、「全県民的議論を実施し、全県民の多数意見をもとに議会は審議決定するべきである」と要求しています。

 川畑清明自治会長(58)は、「黙っていたら、地元住民は再稼働に『同窓しているとされ、再稼働の根拠にされる』と語ります。

 24日には、川畑さんら三つの自治会の有志が共同代表となり、再稼働への賛否を市内全有権者に問う、はがきでの「住民投票」に取り組むことを発表しました。

「計画不十分」

 川内原発から5キロ圏内、甲状腺がんを防ぐためのヨウ素剤を事前に配ることを義務付けられる「予防的防護措置を準備する区域」(PAZ区域)内の、あるコミュニティ協議会の役員は「避難計画は不十分」といいます。

 背後に山、前には川内川の同地域の主要な避難路は県道しかありません。「歩道もない片側1車線の道路。いざ避難となれば大渋滞」と心配します。地区には700世帯、約1500人が住み、自力では避難できない「要援護者」が50〜60人います。「自家用車に乗り合わせて避難しようにも、どうやってこの人たちを車まで運ぶのか。市の防災課に聞いても、『県が総合的に対策を考えています』なんて無責任なことをいう。再稼働に賛成か反対かを問う以前の問題だ」と語気を強めました。

 「偉い人たちが『安全だ』というので、信じていた」と話す市内の旅館経営 者(73)は、「売り上げの3割は原発関係者。表立ってはいえませんが、再稼働に反対」といいます。福島原発事故後の変化です。

 市内の焼酎酒造会社の社長も、「表立ってはいえないが、再稼働には絶対反対。焼酎づくりは水が命」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2014年9月28日より転載)

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