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吉田調書が語るもの(10)・・本当は言っていない 9割が第2原発に

福島第1原発2号機の中央制御室。事故直後の15日、作業員を引き揚げさせています=2011年3月26日撮影、東京電力提供
福島第1原発2号機の中央制御室。事故直後の15日、作業員を引き揚げさせています=2011年3月26日撮影、東京電力提供

 ※3月15日6時ごろ、大きな衝撃音がして、2号機の格納容器下部の圧力抑制室の圧力計がゼロを示したとの情報が。

 -何があるかわからないので、しばらく現場の作業はできない。

「一番重要なのは、放射線量が急激に増加する、格納容器が破れるということで、急激に放射線量が上がるわけですから、それをまず確実に測定して連絡しろと」

 -午前中に、GM(グループマネジャー、副部長級)クラスが福島第2原発から帰ってき始めたと聞くが。

 「本当は私、2F(福島第2原発)に行けと言っていないんですよ。(中略)退避をして、車を用意してという話をしたら、伝言した人間は、運転手に、福島第2に行けという指示をしたんです。私は、福島第1の近辺で、所内に関わらず、線量の低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに行ってしまいましたと言うんで、しようがないなと」

 -所長の頭の中は、福島第1原発周辺の線量の低い場所でと。

 「2号機が一番危ないわけですね。放射能というか、放射線量。免震重要棟はその近くですから、ここから外れて、南側でも北側でも、線量が落ち着いているところで一回退避してくれというつもりで言ったんですが、確かに考えてみれば、みんな全面マスクしているわけです。それで何時間も退避していて、死んでしまうよねとなって、よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しいと思ったわけです」

 -最初にGMクラスを呼び戻すが、誰と誰に戻ってくれと、こちらからか。

 「線量レベルが高くなりましたけれども、著しくあれしているわけではないんで、作業できる人間だとか、バックアップできる人間は各班で戻してくれという形は班長に」

 ※7時ごろ、約70人を除き約650人が10キロ南の第2原発に退避。9割もの人たちを退避させる現場の危機感を示しています。(つづく)

(「しんぶん赤旗」2014年9月24日より転載)

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