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吉田調書が語るもの(4)・・仕様合うもの送れ

東電のテレビ会議の映像。左上が第1原発の緊急時対策室、中央下が東電本店(東京電力提供)
東電のテレビ会議の映像。左上が第1原発の緊急時対策室、中央下が東電本店(東京電力提供)

 必要な物資・資材がなかなか届きません。

 ─事故対応で必要な物資や機材は。

 「手配関係は全部テレビ会議(東電社内のシステム。本店などと同時に情報共有していた)で本店に依頼をして、来るのを待っているということです」

 「ただ、これも混乱がありまして、資材班の人が、仕様がわかるかというと、わからないんです。資材班はものを集めてくるということで、細かい技術的な仕様がわからないですから、復旧班が仕様を出さないといけない」

 ─実際に手元に届くのはいつだったか。

 「資材がいつ届いたかまで、ほとんど覚えていないんです」

 「現場の復旧班の連中からすると、待てど暮らせど来ないというような感覚もあったかと思います」

 ─何か、エピソード的なものはあるか。

 「本店の方では、種類は違うかもわからないけれども、手当たり次第、集めたものを送ってくるということになったんですね。かえって困るのは、送ってこられるんだけれども、こっちがいちいち仕様を確認しに行かないといけない。それから送ってくるのが小名浜コールセンター(福島県いわき市)という、小名浜にある私どもの基地に1回送って、そこからうちに持ってくるのに、線量が上がっているので、持ってこられない」

 「輸送手段だとか、そこまで考えてくれないで、物だけここに持ってこられても因ってしまう。それから、いろんなものを送ってくるものですから、使えるか、使えないか、仕分けをしないといけない。結局、そこに現場の人間が取られてしまうんです」「忙しいときにやめてくれよと、ジャスト(仕様の)合うものをここまで持ってきてよというのが私どもの強い要望だったんです」

 「安全神話」に漬かった東電の事故対応の甘さを物語ります。

(つづく)

(「しんぶん赤旗」2014年9月17日より転載)

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