東日本大震災で市中心部が壊滅状態となった岩手県陸前高田市では、土地をかさ上げすることによって、JR陸前高田駅と中心市街地を再建する復興事業に取り組んでいます。仮設商店街で営業を再開している地元商業者の多くは中心市街地での営業を本格化したいと願っています。
業務用容器、文房具や菓子原料を販売する「米沢商会」の米沢祐一代表(49)は、「農家などのお客さんが業務用の資材を必要としていた」と震災2カ月後には事業を再開。現在は市内の仮設商店街「高田大隅つどいの丘商店街」で「パッケージプラザヨネザワ」を開いています。
家族のために
以前は鉄筋コンクリート3階建ての店舗でした。代表だった父親に、母親と弟も津波で亡くなりました。「今は商品の取り扱いや売り上げは以前の半分ほど。大変ですが、よろこんでくれるお客さんがたくさんいるし、子どももまだ3歳。家族のためにも働かないと」と話します。
同仮設商店街の太田明成事務局長(47)は、「つくるときにアイデアを出し合ってそれぞれが居心地のいい商店街になりました。ただ、一応はあと3年。いつまでも居られる場所ではありません」といいます。
米沢さんは新しくつくられる市街地に以前の規模での出店を希望しています。「厳しいとは思いますが復活させたいと思っています」
陸前高田商工会は中心市街地での商店街復興に向けて勉強会を重ねてきました。今月5日、これまでの話し合いから構想した区割り案を基にして5、6月に実施した出店意向調査の結果が発表されました。198事業者が回答し、市の計画面積に対して、出店希望面積の総計で約75%の充足率でした。
飲食店「わいわい」を経営する太田さんも新市街地でのテナント出店を希望しています。「新しい商店街をどうしたらいいのかまだ答えはでませんが、話し合いを重ねて深めていくしかない。自分たちの街をつくるためなら協力を惜しみません」と勉強会にも積極的に参加しています。
重要な時期に
同商工会副会長で商工業復興ビジョン推進委員会の伊東孝委員長(61)は、「区域ごとの意向のばらつきも分かったので、話し合いを進めていくステップになったと思います」と説明します。
伊東委員長はいいます。
「これから店舗の配置など具体的なことを決めていく、大変ですが重要な時期になります。これまでにない事業で不安がある半面、かつては空き店舗も多かった商店街から、みんなが一体となって魅力ある街づくりをするチャンスでもあります」(つづく)
(「しんぶん赤旗」2014年9月13日より転載)