川内原発が新規制基準に適合するとの審査書の決定に対する地元、鹿児島県の薩摩川内市と、原発から24キロメートル圏内の、いちき串木野市の市民の怒りの談話を紹介します。
市民の意思表示が大事・・川内原発建設反対連絡協議会会長・鳥原良子(とりはら・りょうこ)さん(65)
![島原良子さん](http://jcpre.com/wordpress/wp-content/uploads/2014/09/14-09-11torihara.jpg)
意見公募では約1万7千人の声が寄せられましたが、その中身も、それらの声を受けてどのように対応したのかも知らせないまま審査書を決めました。私も、火山や活断層の危険があることや、避難計画の実効性が審査されないのはおかしいという意見を出しており、今回のような決め方は再稼働ありきだと思います。
いま全国で「川内原発をまずは止めないといけない」という気持ちが高まっていると感じます。8月31日にJR川内駅前で開かれた集会には、私たちの予想を超える人が集まってくれました。全国の方たちとの連携で「再稼働を止められる」と確信を持っています。
地元の薩摩川内市でも多くの人は反対していますが、それを言葉に出せないもどかしさもあります。市民一人ひとりの意思表示が大事だと伝えることが必要だと思っています。
川内原発を再稼働する理由は一つもありません。今こそ廃炉を決めるべきだと国や電力会社に迫っていきたい。
何をもって安全なのか・・「避難計画を考える緊急署名の会」代表石神斉也(いしがみ・まさなり)さん(81)
![石神斉也さん](http://jcpre.com/wordpress/wp-content/uploads/2014/09/14-09-11isikami.jpg)
川内原発から一番近いところで5・4キロ、全市が24キロ圏内に位置する、いちき串木野市では、3万人市民の半数を超える1万5千人以上が、避難計画もない中で川内原発の再稼働はしないでほしいと署名しました。パブリックコメントにも1万7千人が意見を寄せましたが、その思いを規制委員会はしっかりと受け止めたのでしょう
か。
今回の審査書決定も一つの山を越えるために一方的に粛々(しゅくしゅく)と進めた印象です。
福島原発事故から3年半、いまだに避難生活を強いられ、状況はますます悪くなっていると思います。これを国や規制委員会はどのようにとらえているのでしょうか。怒りが湧きおこっているのが正直な気持ちです。
戦争を体験した者として、本当の豊かさとは何かを考えます。家族が一緒に住み、助け合うことが何よりです。原発事故でばらばらに避難している人たちを思うと心が痛みます。
避難計画では風下に向かい、崩壊しやすいシラス台地の崖に沿って逃げることになります。何をもって安全と言うのか。国や県は私たち地元の声を聞いてほしいと思います。
(「しんぶん赤旗」2014年5月11日より転載)