原発再稼働の前提となる安全審査で、九州電力は4月10日、優先的に審査が進められている川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、審査の中心となる設置許可申請の補正書を4月末に提出する方針を明らかにしました。同日開かれた原子力規制委員会の審査会合で報告しました。規制委は補正書を受けて審査書案を作成し、約1ヵ月間の意見募集などを行います。
九電は設置許可申請と同様に、安全審査の対象になる機器類の設計基準(工事計画認可)の補正書も、5月末までに提出する方針。
規制委事務局の原子力規制庁幹部は会合後、「作業量の見積もりができず、時期ははっきり言えない」と述べた上で、5月中の審査書案完成、6月末の審査合格の可能性を「否定はしない」と説明しました。
パッキンの欠損原因か・・アルプスの機能低下
東京電力福島第1原発で汚染水から放射性物質を大幅に減らす装置「ALPS(アルプス)」の1系統で除去機能が低下した問題で、東電は4月9日、ろ過装置にある樹脂製パッキンの欠損が原因である可能性が高いと発表しました。欠損の理由は不明ですが、東電は「(パッキンが)柔軟性を失って欠けているようだ」と劣化の可能性もあるといいます。
東電は、3月27日に白濁水が確認され処理を停止したA系統も同じ原因であるとみて、フィルターを分解するなど詳しく調べており、いずれの系統も再開のめどは立っていません。