日本共産党の小池晃議員は4月8日、参院厚生労働委員会で、原発事故収束作業など放射能による被ばくの恐れがある労働者に手帳を交付し、健康管理に国が責任を持つべきだと主張しました。
厚労省は、原発事故の緊急作業従事者のうち747人だけに長期健康管理のための手帳を交付し、それ以外は事業主の管理責任としています。小池氏は、日本医師会が収束作業の全労働者と除染作業者などに手帳を交付し、国が健康診断を保障する制度を提言していると紹介し、その実施を要求しました。
小池氏は、原発事故の緊急作業従事者約2万人に対する検診実施率が6割から7割と低いのは、「検査実施が事業主任せ」だからだと指摘。事故後の緊急作業従事者全員のがん検診を国の責任で行うよう求めました。
田村憲久厚労相は「一般の原発作業員は法令にのっとって、事業主に対応していただく」と答弁。小池氏は、原発事故と収束作業という「異常な環境の中で命がけで仕事をしている方たちに、国が責任を持って生涯の健康管理をやるべきだ」と批判しました。
小池氏は、福島第1原発の労働者を苦しめる、偽装請負や危険手当ピンハネなどの横行を示し、これまでのような下請け業者を介した調査でなく、直接行政が労働者の訴えを聞き取る実態調査の実施を主張しました。