東京電力福島第1原発の廃炉作業や放射能汚染水対策を監督する原子力損害賠償・廃炉等支援機構の廃炉等技術委員会が8月21日、東京都内で初会合を開き、政府の廃炉工程表に反映させる「戦略プラン」の策定を進めることを決めました。
記者会見した廃炉担当の山名元・副理事長は「これまでの政府の対応は長期的、技術的にじっくり考える頭脳集団が十分でなかった」と述べました。
プール燃料の搬出1ヵ月程度前倒し・・福島第1の4号機
東京電力の広瀬直己社長は8月20日、福島県議会の全員協議会に出席し、福島第1原発4号機使用済み燃料プールの核燃料取り出しについて、完了時期が当初予定していた年末から1カ月程度前倒しになるとの見通しを示しました。
燃料取り出しは昨年11月に開始。クレーンの点検のため7月から中断しており、9月上旬に再開する予定。7月10日時点で核燃料1533体のうち1188体の取り出しを終えました。
一方2号機では、トレンチ(ケーブルなどの地下管路)にたまった高濃度汚染水の抜き取りに関し、トレンチと建屋の接合部を凍結させる作業が難航しています。広瀬社長は記者団に、「基本的には今の方法でやりたい」と述べ、あくまで凍結による接合部の遮断を目指す考えを示しました。
東電は19日の原子力規制委員会の検討会で凍結に向けた追加策を示しましたが、委員からは手法を疑問視する声が上がっています。
(「しんぶん赤旗」2014年8月22日より転載)