鹿児島県の伊藤祐一郎知事は8月1日の定例記者会見で、原子力規制委員会が九州電力川内原発(同県薩摩川内市)の審査書案を了承したことを受け、国に原発再稼働の必要性を明記した文書を示すよう要請したことを明らかにしました。知事は「国の責任が明確にされない」と理由を説明し、「明確な方向性と意志を示す作業は必要と思う」と述べました。
規制委は7月16日、審査害案を公表。30日間の意見募集を経て正式決定されれば、地元自治体が再稼働に同意するかどうかに焦点が移ります。
県によると、伊藤知事は7月下旬、東京で経産省幹部に面会し、文書を要請しました。
知事は会見で「エネルギー政策は最終的には国の責任。地方公共団体に委ねるというのは間違いだ」と指摘。文書について「審査終了後の住民説明会前には頂きたい」と述べました。
国と県が責任をなすり合う構図・・まつさき真琴・日本共産党県議の話
国と県が県民不在で責任をなすり合う構図がより明らかになった発言です。知事は、住民の安全について国まかせではなく、自らが県民の生命と財産を守る立場に立つべきです。福島の現状や火山の問題、知事自身も「不可能」と認めた全ての要援護者の避難計画の策定など、問題が山積する中で県民の安全は確保できません。再稼働ありきで責任のがれの知事発言は許されません。
(「しんぶん赤旗」2014年8月2日より転載)