九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転中止を求めている「原発なくそう!九州川内訴訟」原告団のうち23人が、再稼働の差し止めを求めた仮処分申請の第1回審尋が7月30日、鹿児島地裁でありました。
仮処分申請は、原子力規制委員会の優先審査を受け、住民側が同原発の基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)の想定が不十分で安全性は確保できないとして九電に対し、再稼働の差し止めを訴えているもの。
審尋は非公開。審尋後の報告会で、大飯原発訴訟原告弁護団の内山成樹弁護士らは、全国の4原発で過去10年間で基準地震動を超える地震が5回もあったとして、「基準地震動は信頼できない」と改めて強調したと報告。直下型や活断層を想定した場合のいずれの基準地震動も「最大限の地震を想定していない」と指摘しました。
森雅美弁護団長は、「川内原発の再稼働が一番に狙われた。仮処分申請は、県民の運動とともに重要な運動のひとつとして再稼働をやめさせるために取り組んでいく」と話しました。
九電側は、審尋で申し立ての却下を求めました。
川内原発をめぐっては、23人を含む22都府県の2242人が原告となり、運転停止を求める本訴訟も係争中です。
(「しんぶん赤旗」2014年7月31日より転載)