「原発ゼロを求める国民の世論を無視するのか」・・。安倍政権が原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、再稼働を進める「エネルギー基本計画」を閣議決定したことに、全国の原発立地の住民から抗議の声が起こっています。
事故また起こりうる・・福島 福島原発避難者訴訟原告団長・早川篤雄さん(楢葉町宝鏡寺住職)
閣議決定した「エネルギー基本計画」は、今後も原発を使い続けるということを示したものです。私は、惨禍に見舞われた福島を見捨て、“もうけのためには第二のフクシマもある”という安倍政権の宣言だと受け止めました。怒りでいっぱい
であり、ただちに撤回すべきです。
私たちは、地震・津波が引き金になって原発事故が起こる危険性を再三問題にしてきました。原発は危険性と隣り合わせだと指摘する声も数多くありました。原発事故は日本列島のどこでも起こりうる可能性があり、たまたま福島で起こってしまったと思っています。原発がある限り、事故はまた起きるのではないでしょうか。
「世界で最も厳しい水準の規制基準」に適合した原発は安全だというが、これはもう「安全神話」の世界的な展開ともいうべきものです。福島は依然、深刻な事態なのです。この「基本計画」をもとに原発再稼働を進めようとしていることに、厳しく抗議したい。
避難計画さえ未整備・・鹿児島 「かごしま反原発連合有志」代表・岩井哲さん
福島原発事故の悲劇を経験した国が、原発を「重要電源」とすることが信じられません。安倍内閣は、人命無視の姿勢がはっきりと表れています。
福島では、子どもたちをはじめ多くの住民が線量計を持ちながら、不安を持たされ生きています。事故の収束と福島の復興、再生可能エネルギーの普及こそ政府が長期に取り組むべき課題です。
今まさに、鹿児島で川内(せんだい)原発再稼働を政府は急いですすめようとしています。しかし、寝たきりのお年寄りなど要援護者の避難計画さえ、ほとんどつくられていません。生身の人間を相手にする避難計画の未整備は致命的な欠陥です。こんな状況で「合格」が出されても何の信用もおけません。
原発再稼働に躍起になりながら、再生可能エネルギーの具体的な目標数値は盛り込みませんでした。政府の本音が表れています。
今の安倍政権は国民の声にまったく馬耳東風です。原発のない社会の実現は私たちの運動にかかっています。