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福島事故忘れたか 温暖化対策に逆行・・環境団体が抗議次々

「原発ゼロを撤回するな」とエネルギー基本計画閣議決定に抗議する人たち=4月11日、首相官邸前
「原発ゼロを撤回するな」とエネルギー基本計画閣議決定に抗議する人たち=4月11日、首相官邸前

安倍政権が4月11日、閣議決定した「エネルギー基本計画」について、環境団体が次々と抗議声明を発表しました。

温暖化防止に取り組む「気候ネットワーク」は、「福島での悲惨な原発事故を省みることなくこの先も原発依存を貫くとし、気候変動の危機的状況にも向き合わず石炭火力発電推進に暴走する、時代錯誤といわざるを得ない」と指摘。脱原発を願う多くの国民の声を無視して、「計画を了承した自民党・公明党の罪は重い」としています。

自然エネルギー啓発キャンペーンを行う「WWFジャパン」は、「最も有望なエネルギー源である再生可能エネルギーについての目標すらかかげられない『基本計画』は、国内的にも、国際的にも、日本の先進性を打ち出すことに失敗した」と断言。「省エネルギーについても、2030年の数値目標を明確に設けるべき」「原子力依存の低減については与党も合意しているはずであり、その明確な方針を打ち出すこと」を求めています。

基本計画は、2月末に発表した原案に、原発停止による温暖化や経済への悪影響などを加筆。「これまで国際的な地球温暖化対策をリードしてきた我が国の姿勢が問われかねない」との一文を追加しました。

その点について「FOE Japan」は、「『化石燃料への依存の増大』『電源構成の変化による電気料金の上昇』『温室効果ガス排出量の急増』など、すべてが原発停止に起因しているかのように(原発の)必要性を強調する書き方は、3・11以前と何ら変わっていません」とし、「事故がまるでなかったかのようなエネルギー計画が決定された」と批判。

「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)」の専務理事、早川光俊弁護士は、「“開いた口がふさがらない”というのが正直な感想」と言います。

「日本政府は国際的な温暖化対策をリードなどしていません。京都議定書から事実上離脱し、昨年11月には、温室効果ガスの増加目標を発表して国際社会から非難を浴びたことにみじんの反省も見られない」と早川さん。

また計画には、“世代を超えた原発教育”も盛り込まれています。早川さんは、「原発“安全”教育への反省も全くない。国民的な議論を踏まえた計画に作り直すべきです」と強調します。

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