日本共産党の塩川鉄也議員は4月11日の衆院本会議で、安倍内閣が同日閣議決定したエネルギー基本計画が原発を「重要なベースロード電源」と位置づけていることを批判し、「福島原発は賠償から廃炉まで含めるとコストがいくらかかるかわからない。どうしてコストが安いといえるのか。稼働率ゼロでも安定供給だというのか」と述べ、同基本計画の撤回を求めました。
そのうえで塩川氏は、「原子力に依存しない社会の構築」というなら原発削減の数値目標こそ示すよう主張。原子力産業界、財界の思惑に沿った原発輸出、とりわけNPT非加盟国のインドとの原子力協定交渉は「唯一の被爆国で、福島事故を経験した日本が絶対にやってはならない」と指摘しました。
また、原賠機構と東電が策定した東電再建計画について、原発事故被害者を分断し切り捨てる一方で、東電に無原則な税金投入をするものだと批判。東電とメガバンクなど利害関係者に原発事故の責任と負担を求め、原賠機構法を見直し、事実上債務超過の東電は破綻処理して一時的に国有化することを「電力システム改革と一体に行うべきだ」と主張しました。
安倍晋三首相は「原発のコストは原発事故対応費用や使用済み核燃料の処理コストを含めて、石炭火力、LNG火力や再生可能エネルギーと比較して高くない」と強弁。原発輸出は「世界の原子力安全の向上に貢献するのはわが国の責務だ」と正当化し、「世界で最も厳しい水準の規制基準を策定した」と、原発再稼働する考えを改めて表明しました。