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被ばく限度上げ検討・・原子力規制委 事故時の作業員

 原子力規制委員会は7月30日、原発などの事故時に緊急事態に対応する作業員の被ばく限度について、現行の累計100ミリシーベルトから引き上げる必要があるかを検討することにしました。同日開かれた定例会で、当初の議題に入っていませんでしたが、田中俊一委員長が「(100ミリシーベルトを)上回るような事故に備えて、国際的にはIAEA(国際原子力機関)等では500ミリシーベルトという基準だ。福島第1原発事故の実態を踏まえて緊急事態の対処のありかたを検討してはどうか」と提案し、了承されました。

 緊急作業に従事する作業員の被ばくの限度は、2011年の東京電力福島第1原発事故の際、福島事故に対応する作業員の被ばく限度がそれまでの100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに

突如引き上げられました。野田佳彦首相(当時)の「収束」宣言を受けて同年12月、100ミリシーベルトに戻されました。

 規制基準の審査では、重大事故対策にあたる作業員などの被ばくが、1週間に100ミリシーベルトを超えないことを基準にしています。更田豊志委員は、規制基準は変えるべきでないとしながら「想定の及ばない事故へも、リスクがゼロになっているわけではない。それに対する対処も考えていくことは重要」と述べました。

 被ばく締量は100ミリシーベルトでがんを発症して死亡する確率が0・5%上昇し、線量が高いほどリスクが高まるとされています。

 田中委員長は「被ばくを受ける作業員の意思を確認する方法」などを検討する必要があると述べました。

(「しんぶん赤旗」2014年7月31日より転載)

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