東京電力は7月26日、福島第1原発で進められている地下水バイパスで、海に放出するためのくみ上げ用井戸の1つから採取した地下水から、放出基準(1リットル当たり1500ベクレル未満)を超えるトリチウム(3重水素)を検出したと発表しました。24日に採取した地下水から検出されたもので、同1900ベクレルでした。基準超えの状況が2ヵ月続いていることになりますが、東電はいまだに原因の特定ができておらず、専門家から懸念の声が上がっています。
問題の井戸は12本ある井戸の最南端。昨年(2013年)8月に高濃度の放射能汚染水が約300トン漏れたタンク群から160メートルの距離です。
東電は、12本の井戸でくみ上げた水を一時貯留タンクにためて、基準値を下回れば海に放出。問題の井戸で基準を超えても、他の井戸の水と混ざり薄まれば放出できる仕組みです。
問題の井戸でトリチウム濃度が上昇している原因について東電は25日、国の汚染水処理対策委員会に報告。地下水の流速が1日10センチという評価をもとに、
濃度上昇の時期が早すぎるとして、漏れたタンクの影響は「考えづらい」「別の原因」と説明しました。
しかし、専門家などから「1日数メートルの流速はざらにある」「仮に別の原因があるなら、どのように調査するのか」などの意見が出され、東電は「検討を深
める」と笞えました。
2号機海側の地下水270万ベクレル・・福島原発
東京電力は7月25日、福島第1原発2号機海側の地下水(2月13日採取)から放射性ストロンチウムを1リットル当たり270万ベクレル検出したと発表しました。
その地点のこれまでの最高値は同140万ベクレルでした。このほか、建屋に近い地点で同日採取した地下水からも、これまでの最高値の同59万ベクレル検出しています。
(「しんぶん赤旗」2014年7月27日より転載)