昨年秋に福島県南相馬市で収穫されたコメから基準値を超える放射性セシウムが検出され、東京電力福島第1原発3号機で昨年8月に行われたがれき撤去作業で放射性物質が飛散したことが原因であると疑われている問題で、東電は7月15日までに、「原因は不明」としながら「可能性はゼロではない」と認めました。
東電は、農林水産省が東電に対し、セシウム検出の原因ががれき撤去作業である可能性を指摘し、防止策を要請したのは今年の3月3日だったと明らかにしました。
国も東電も地元自治体や農家などに、このことを明らかにしてきませんでした。説明してこなかった理由について東電は、「因果関係が不明であるため」としています。
東電は会見で、原因ががれき撤去作業である可能性を問われ、「ダストが舞って堆積した可能性はゼロではない」と回答。一方で、がれき撤去作業で放射性物質が飛散することについて「考えたことはなかった」とのべました。
東電は、1号機の使用済み燃料の取り出しに向けて高線量のがれきを撤去するため、建屋カバーを解体する作業を今月中に開始すると表明。飛散防止剤を散布して作業するとしていますが、効果は不透明です。作業計画の公開や、作業状況、空気中の放射線量などの情報提供については「考えていきたい」とのべました。
電力ケーブル誤って切断・・放射線測定一時不能
東京電力福島第1原発で7月14日午前、1〜4号機周囲の土木工事で電力ケーブルを誤って切断し、構内モニタリング車による放射線量の測定が一時できなくなる事故が起きました。
東電によると、1〜4号機の周囲で地中に埋まっている工事の妨げとなるものを取り除くため重機で掘削作業をしていたところ、誤って電力ケーブルを切断。このケーブルによる電力供給が止まりました。
そのため、構内モニタリング車による空間放射線量の測定が一時できなくなり、代替措置で行いました。同日午後、電源が復旧し、モニタリング車による測定を再開しました。
(「しんぶん赤旗」2014年7月16日より転載)