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くみ上げ水 最悪2300ベクレル・・福島第1東電、薄めて放出方針

 東京電力は7月2日、福島第1原発の地下水バイパス計画で、海に放出するためのくみ上げ用井戸で6月30日に採取した地下水から、過去最高濃度となる1リットル当たり2300ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出したと発表しました。この井戸では、海洋放出の開始後も約6週間にわたり放出基準(同1500ベクレル未満)を超える状況が続いていますが、東電はくみ上げを継続しています。

 濃度上昇傾向が続いている井戸は、12本あるくみ上げ用井戸の最南端。130メートルほど上流側には、昨年8月に高濃度の放射能汚染水が漏れたタンク群があり、漏えい事故による地下水汚染の影響が懸念されています。

 この井戸では、5月下旬に放出基準を超える同1700ベクレルが検出され、くみ上げをいったん停止しましたが、その後も基準を超える状態が継続しているにもかかわらず、6月12日にくみ上げを再開。東電は、12本の井戸でくみ上げた水を一時貯留タンクにためて基準値を下回れば海に放出する方針で、事実上、基準値を超えた汚染水を、ほかの井戸の地下水によって薄めて排出する運用となっています。7月2日にも、一時貯留タンクから地下水1858トンを海に放出しました。

 地下水バイパスは、原子炉建屋などへの地下水流入による高濃度汚染水の増加を抑制するために、建屋の山側で地下水をくみ上げて流す計画。現在、1日当たり300トン規模の地下水を12本の井戸でくみ上げています。

(「しんぶん赤旗」2014年7月3日より転載)

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