【ワシントン=時事】世界銀行は6月23日、エネルギーや資源の効率化により世界全体の経済規模を年間1・8兆ドル(約180兆円)以上増やせると分析した報告書を発表しました。気候変動・環境汚染による健康被害や食料問題にも有効としており、主に中国やインドなどの新興国に速やかな対応を促しました。
報告書は、各国が環境負荷が小さい発電設備や公共交通の導入など「効率化政策」を実行した場合、2030年時点で世界の経済規模は実行しない場合に比べて年間1・8兆〜2・6兆ドル増加すると試算。大気・水質汚染などによる死亡者も9万4000人削減できると推定しました。
特に「インドの高速バス整備」ブラジルの廃棄物管理」などを具体的な課題として提示。中国に関しては、温室効果ガ
スの排出が多い旧式ストーブを新型に切り替えることで、110億ドル相当の経済効果が生まれると指摘しました。
世銀は9月に国連が開く「気候変動サミット」を前に報告書を取りまとめました。キム世銀総裁は「適切な政策は人命や雇用、経済成長に多大な利益をもたらし、気候変動対策にも通じる」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2014年6月26日より転載)