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敦賀評価書 再作成へ・・活断層めぐり規制委/原電の有識者の見解

 日本原子力発電の敦賀(つるが)原発2号機(福井県)直下を走る破砕帯(断層)について活断層と判断した原子力規制委員会の外部専門家による調査チームは6月21日、活断層を否定する日木原電の追加調査報告について、現地調査を踏まえた2回目の評価会合を行いました。

 座長役の規制委の島崎邦彦委員長代理は「次回は、評価書の修正点について議論したい」と述べ、評価書の再作成に入る考えを示しました。

 敦賀原発について昨年(2013年)5月、調査チームは2号機直下を走る「D−1」と呼ばれる破砕帯が、非常に活発な敷地内の活断層「浦底(うらそこ)断層」と運動する「活断層である」と結論づけ、「直上の重要な施設に影響を与える恐れがある」とする評価書をまとめ、規制委が了承しています。

 これに対し、日本原電は昨年7月、D−1破砕帯は活断層にあたらないとする追加調査報告書を提出。規制委の専門家チームが1月に現地調査を行っています。前回の会合では、外部専門家4人全員が、従来と同様、活断層の可能性を否定で

 きないとの判断を示しており、21日の会合でも、日本原電の説明に対し「学術的に説得力がない」「(データの評価が)恣意(しい)」的」などの疑問が出されました。

 日本原電は冒頭、原電側が依頼した外部専門家の同席などを主張しましたが、規制委は「運営に支障がある。事業者のPRの場ではない」と退けました。

 評価書の結論が変わらなければ、敦賀原発2号機の廃炉を迫られる状態が続きます。

(「しんぶん赤旗」2014年6月22日より転載)


活断層めぐり規制委での論点・・原電の有識者の見解

 日本原電は2013年7月に、火山灰調査などをもとにD−1破砕帯は活断層に当たらないとする追加調査報告書を規制委に提出し、再調査を要求。2014年1月に実施されました。

 以下に、日本原電の主張と有識者の見解を整理しました。

(山本雅彦)

日本原電の主張 その1・・14-06-22-1

 従来の調査結果で⑤層中に微量に含まれることを示してきた火山灰について、調査数量を増やして、美浜テフラに確実に対比され、その降下年代をもって⑤層下部の堆積年代を12・7万年前と断定できるとしました。

有識者の見解・・

 ⑤下層部テフラについては、降灰層準を示しているとは言いがたく、この年代を根拠にK断層の活動時期を12・7万年前とは断定できない、と判断しました。

 

14-06-22-3

日本原電の主張 その2・・

 K断層による断層変位が明瞭に確認される③層について、③層(下部)の変位量は1〜1・5mであるのに対し、③層上部には変位がない(「K断層の変位量が地中で減少する状況は認められない」)としました。(平成25年8月30日付の資料)。

有識者の見解・・

 層厚5m以上に及ぶ③層の中で、どの層準で断層変位量が不連続的に消滅しているか明確ではない。傾斜不整合や構造不調和等、「断層変位の累積性を想定しなければ説明できない状況」は認められない。

 よって、K断層が変位した際に③層上部や⑤層は存在しなかったと断定する、十分な根拠はない、と判断しました。

日本原電の主張 その3・・

14-06-22-4 南方の原電道路ピットにおいて確認される③層(の一部)について、その変位量は「急激に減少」し、さらに南方では「③層上部に変位・変形を与えていない」。

有識者の見解・・

 K断層の南方延長は、ふげん道路ピットの下までは伸びており、上載層に変位を与えている可能性は否定できない、と判断。

 原電道路ピットにおいて確認される③層は層厚も薄く、大露頭において確認される③層のうちどの層準かの判断が難しい。大露頭においても、③層の中〜上部の断層変位量(破断)は小さく、原電道路ピットで確認される変位量が大、判断しました。

 露頭よりも著し<小さいとは言いがたい(どの層準と比較すべきか疑問の余地がある)。「③層上部に変位・変形を与えていない」と事業者自身が大露頭で解釈しているのであれば、断層の南方への連続を否定する根拠にはなり得ない、と判断しました。

(鈴木康弘委員の資料より)

14-06-22urasoko

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