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福井豪雨 孤立から3日目の救助

「夜はろうそく 水は池の水…」水道と電気、復旧早く

「夜はろうそく、水は池の水でしのいだ」―。「福井豪雨」から三日目に避難指示を受けヘリなどで救助された福井県池田町下池田地域の五集落の住民は、二十一日も九十一人が三カ所、四施設に避難してすごしました。豪雨被害取材班

五集落は十八日の豪雨で、道路が寸断され、電話、電気、水道なども使えない状態になりました。携帯電話の電波も届かない山間地のため、救助されるまで“陸の孤島”でした。

同町開発センターには二十七人が避難。大本集落の男性(58)は、シイタケの菌床一万個を栽培していますが、小屋は十センチ以上泥が堆積(たいせき)、「あれはもうあかんのちゃうかな」。京都にいる娘に連絡するため携帯の電波が届く所を探し十キロ以上、山道を歩いたことも。しかし連絡が取れたのは結局、救助された日の昼。「ほっとした」と安どの表情を浮かべます。

妻と小二、六歳の男の子を連れ避難した上小畑集落の高木武夫さん(44)=製材業=は十八日、川のようになった道路に腰まで漬かり子どもを両脇に抱え、近くの親せきの家に避難しました。仕事の機材は泥だらけ、木材も濁流に流されました。

「仕事の再開のめどは立ちません。電話も使えなかったので、今、得意先に状況を説明したところ。とにかく水道と電気が使えるようになってほしい」と話していました。

越美北線・・鉄橋流失で廃線の可能性

JR西日本の垣内剛社長は二十一日の定例記者会見で、福井県北部の豪雨災害で鉄橋五本が流された越美北線(越前花堂―九頭竜湖間、五十二・五キロ)について「被害状況をビデオで見る限り、線路を新しく造り直すのと同様の状況。加えて渇水期しか工事ができず、工事期間も数年必要だ。国民経済的にどうすべきかも含め、調整していきたい」と述べ、廃線の可能性を含めて検討する意向を示しました。

垣内社長は、被害額や復旧作業の方法、費用などを詳しく調査した上で、河川管理者の国や県などと協議を行う方針。「同じ所に鉄橋を造っても、また同様の事故が起こりかねず、やはり河川改修のあり方の中で考えなくてはならない」と強調しました。

同線は経営状況が厳しい赤字路線。「災害によって廃止になれば、利用者から不満が出るのでは」との質問に対しては、「そうしたことも地域代表の県と協議する。廃止を前提に議論を進めるのではなく、どういうあり方がいちばんいいか、あるべき姿を求めていきたい」と答えました。

青年ボランティア活躍・・民青同盟福井県委が呼びかけ

床下の泥をとるボランティアの青年ら=21日、美山町蔵作
床下の泥をとるボランティアの青年ら=21日、美山町蔵作

民青同盟福井県委員会は集中豪雨の被災者の救援、復旧作業のため青年にボランティア活動を呼びかけ、十九日からとりくんでいます。

二十一日には民青同盟員など八人の青年(東京都から二人、石川県から二人、福井県内四人)が参加して、美山町蔵作の林幸男さん(68)宅に救援に入りました。

床板をめくった格子状に走る垂木の間からちり取りを入れて泥をかき集め、バケツに入れて外に運び出す作業です。青年らは黙々と取り組みました。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、オーディオなど一階にあった電気製品はすべて処分。軽トラックに載せて指定のゴミ収集所へ運びます。

参加した男性同盟員の一人は友人四十三人にメールでボランティアを呼びかけたところ、三人がこたえてくれました。二十一日に参加した二人は「もともと一人でも行こうと思っていた。そこに声がかかったので…」と。前日の二十日に参加したもう一人の青年は「誘ってくれてありがとう。感謝します」と言っていました。

林さんは「こういう作業は人海戦術でやらざるを得ませんから、ボランティアのみんなは本当にありがたい」と語っていました。

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