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福島第1タンク堰二重化・・工事完了また遅延 &東海第2と東通 審査入り

 東京電力は6月16日、福島第1原発の高濃度汚染水タンクを囲む堰(せき)の二重化工事が降雨の影響で遅れ、今月末にずれ込むと発表しました。

 同工事はタンク群からの汚染水漏れが相次いでいることを受け、外部への流出を防ぐためのもの。当初は3月末完了予定でした。しかし3月、東電は、配管移設などが必要になったため5月末までに期間が延びるとの見通しを明らかにしました。その際、経済産業省の赤羽一嘉副大臣は、記者団に「雨が増える梅雨の時期に間に合うよう工程管理を徹底したい」とのべていました。

 東電は今後、降雨がなければ工事は今月末までに完了するとしています。

 また、地下水バイパス計画のくみ上げ井戸のうち、海への放出基準(1リットル当たり1500ベクレル)を上回る濃度のトリチウムの検出が続いている井戸の隣の井戸で12日に採取した水のトリチウム濃度が同530ベクレルで最高値を更新しました。

 3号機海側の地下水のうち1カ所で15日採取した全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)濃度が同4400ベクレル、汚染水タンクエリアのG−3エリアで14日採取した地下水から同43ベクレルの全ベータを検出し、いずれも最高値を更新しました。

 

2原発 適合審査入り・・東海第2と東通準備不足に批判

 原子力規制委員会は6月17日、日本原電東海第2原発(茨城県)と東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県)1号機の新規制基準への適合性審査の初会合を開き、両社から地震・津波対策など申請内容の説明を受けました。次回会合で、両原発の審査上の論点が提示されます。

 1978年に運転を開始した東海第2原発は申請された原発で最も古く、電気ケーブルなどが不燃性や難燃性ではありません。原発はケーブルに防火塗料を塗って対策とすると説明。規制委側からは「本当にきっちり施行

できるのか」「難燃ケーブルに取り換えることを考えてはどうか」と指摘されました。

 東通原発では、敷地内の断層が活断層である疑いが指摘され、専門家の評価会合で検討中です。規制委が昨年決めた方針では、断層を評価中の原発について、「一定の見解のとりまとめ」を審査開始の前提にしています。

 会合では、事故時の中央制御室などでの作業員の被ばく線量について規制委からの質問に、東北電は具体的な数値を示さず、「詳細は確認中」などと説明。規制委側からは「定量的でない表現は、議論の対象とはならない」「全体的にそういうのが多すぎる」と、申請内容の準備不足が批判されました。

 更田(ふけた)豊志委員は「とりあえず申請して、議論の中でクリアできるレベルを探られては非常に困る」と指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2014年6月18日より転載)

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