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東電 核燃講座に1億円寄付・・新規制委員候補 田中東大教授が担当 &くみ上げ地下水基準超

 東京電力が2011年度までの4年間に、核燃料サイクルの研究推進を目的とする東京大の講座に計約1億円を寄付していたことが6月7日、東大への取材で分かりました。講座は東大大学院原子力国際専攻が設置し、政府が原子力規制委員会の新しい委員候補として国会に提示した田中知教授が担当していました。

 時事通信が情報公開請求で入手した東大の資料などによると、東電から08年4月、「核燃料サイクル社会工学寄付講座」向けに、12年度までの5年間に計1億5000万円を提供すると申し出がありました。東大は毎年度3000万円を受け取ることになり、使途は田中教授を含む専攻内のメンバーで議論して決めたといいます。

 この講座は、原発で発生した使用済み核燃料の再利用を目指す核燃料サイクルに関わる人材育成や、研究推進を目的に開設。08年度から始まりましたが、福島第1原発事故を受けて東電が資金提供の中止を申し入れ、11年9月末で終了しました。東大は同11月、提供済みの寄付金計1億2000万円のうち、使っていない2036万円を返還しました。

 東電は「講座の趣旨に賛同し、優秀な人材が育成されることなどを目的に寄付した」と説明しています。時事通信は田中氏に取材を申し込みましたが、回答がありませんでした。

 田中氏はこれまでに、日本原子力学会会長や日本原子力産業協会理事を務めています。

(「しんぶん赤旗」2014年6月8日より転載)

 

くみ上げ地下水基準超・・福島第1

 東京電力は7日、福島第1原発の汚染水対策として建屋地下に流入する前の上流側で地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」で、1本の井戸から5日にくみ上げた地下水のトリチウム(3重水素)濃度が放出基準を超えたと発表しました。

 この井戸は12本あるくみ上げ用井戸の最南端。130メートルほど上流には、昨年8月に高濃度の放射能汚染水が約300トン漏れたタンクがあります。

 5日に採取した地下水から1リットル当たり1700ベクレルのトリチウムを検出、東電が定めた放出基準(同1500ベクレル)を上回りました。この井戸の地下水は、海への放出が始まった先月21日以降、たびたび基準を超えています。

 地下水バイパスは、汚染水が増加する原因となっている、建屋に流入する地下水を減らそうというもの。12本の井戸でくみ上げた水を一時貯留タンクにため、基準値を下回れば海に放出しています。東電によると、地下水抑制の効果の検証には、3〜6ヵ月程度かかるといいます。

(「しんぶん赤旗」2014年6月8日より転載)

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