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吉田元所長らの証言を公開請求・・原発訴訟原告ら &笠井氏 事故調記録開示を &凍土壁工事一時中断

 東京電力福島第1原発事故を受けて政府事故調査・検証委員会が実施した吉田昌郎元所長(故人)の聴取記録などについて、各地の原発訴訟の原告らが6月5日、記録を保管する内閣官房に情報公開請求を行いました。不開示決定が出れば、国に開示を求める行政訴訟を起こす方針。

 公開請求したのは、吉田元所長を含む772人の聴取記録など。吉田元所長は政府事故調に対し「公表は望まない」との上申書を提出しており、管義偉官房長官は5月、これを理由として記録を公開

しない考えを示しています。

 

「原因究明に不可欠」・・笠井氏 原発事故調記録開示を

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(写真)質問する笠井亮議員=5月30日、衆院内閣委

 日本共産党の笠井亮議員は5月30日の衆院内閣委員会で、政府の原発事故・調査検証委員会(政府事故調)が福島第1原発事故の関係者から聴取した調査記録の開示と、これらの記録を事故の原因・真相究明や再発防止に役立てるように求めました。

 政府事故調は最終報告書発表までに事故関係者772人の聴取結果書(調書)を作成しましたが、調書を含め全資料が非公開とされています。このうち福島第1原発所長だった吉田昌郎氏の調書の内容を朝日新聞が5月下旬に報じ、事故直後の様子を示す資料として注目されています。

 笠井氏は、一連の調査記録開示が「未解明な事故原因の究明に不可欠だ」とし、非公開の理由をただしました。井上信治内閣府副大臣は「非公開を前提に任意の協力を得たため」と答弁しました。

 笠井氏は、そもそも不開示理由を説明した政府事故調の畑村洋太郎委員長名の文書(一昨年5月)が「不開示を希望する場合」に限定しているうえ、この文書が「(開示すれば)調査活動に著しい支障」とした点についても政府事故調が調査終了した現在では問題にならないと指摘しました。

 また、調査記録は「国民の共有財産だ」と強調。当事者のプライバシーに配慮しつつ、「公開を原則とし、公開できないものは理由を明らかにして最大限、開示するべきだ」と求めました。

 井上副大臣は「現時点では非公開前提の任意の聴取として扱う」と答弁。調書以外の資料は、情報公開法にもとづいて不開示となったもの以外は開示するとしました。

 

凍土遮水璧 作業員がケガ・・工事一時中断

 東京電力は6月「4日、福島第1原発1〜4号機の高濃度放射能汚染氷の増加を抑えるための「凍土遮水壁」の工事中、作業員がケガをする事故が起きたため作業を中断したと発表しました。東電は「現場での安全確認を徹底する」として工事を5日から再開しました。

 「凍土壁」は原子炉建屋の周囲の土壌を凍らせて地下水の流入を抑えるもので、深さ約30メートルの凍結管を埋めるための穴の掘削作業が2日から大手ゼネコンの鹿島建設によって行われています。

 事故は3日の掘削作業中に発生。ケーシングという長さ1・5メートルの管を回転させながら掘削していましたが、合図がないまま回転させたためそばにいた作業員が気付かず、右手を打撲しました。東電は、負傷の程度は軽傷だとしています。

 現場は高い放射線量のため作業員は全面マスクをしていますが、東電は「マスクをしていても声かけは可能。作業時にはお互いによ

く声をかけることを徹底する」とし、5日から工事を再開しました。

(「しんぶん赤旗」2014年6月6日より転載)

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