東京電力福島第1原発の高濃度放射能汚染水タンクが設置されているエリアの堰(せき)内の水をためるタンク(ノッチタンク)から水が漏れていた問題で、東電は6月4日、ノッチタンク天板の開口部から雨水が入ったことで漏水したとみられる、と発表しました。東電によるタンク水のずさんな管理が明らかになりました。
ノッチタンクは、高濃度汚染水タンクを囲む堀内のたまり水を貯蔵するタンク。天板には幅3センチ、長さ30センチの開口部があり、そこから雨水が入って内部の水位が上がり、天板から11センチの側面にあるボルト穴から漏水したとみられます。
漏水したノッチタンク内の水からは全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり7万2千ベクレルと高い値で検出されています。
東電は、「開口部があることを現場が知っていたかどうかはわからない。ノッチタンクの水は汚染水そのものではないので、管理が不十分だった」としています。
漏水が起きたノッチタンクの周囲の堰の排水弁は漏水を発見された時には開いていたため、東電は周辺の土壌を分析して、堰外に漏れていたかどうかを調べています。
(「しんぶん赤旗」2014年6月5日より転載)