東京電力は6月3日、福島第1原発で2日に水漏れが起きたタンクの水に含まれる放射性物質の濃度を分析したところ、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)で1リットル当たり7万2干ベクレルだったと発表しました。タンク周辺の雨水を海に放出する際の東電の基準は、ストロンチウム90で同10ベクレル未満であり、これに照らしても非常に高い濃度です。東電は、汚染水タンクの漏水事故の影響とみています。
水漏れを起こしたのは、ノッチタンクと呼ばれるタンク50基のうちの2基。東電は、その後タンク内の水を別のタンクに移したことで漏水は止まったとしています。漏えい量と漏水の原因は調査中です。
同原発では、高濃度汚染水を貯蔵するタンクの漏水事故がたびたび起きた影響で、汚染水タンク群を囲む堰(せき)内には、雨水と漏れた汚染水が混ざった放射能濃度の高い水がたまっています。
ノッチタンクは、そのたまり水があふれないようにするための移送先となっています。
ノッチタンク群の周りにも堰があり、その堰内にたまっている水の放射能濃度は全ベータで1リットル当たり9800ベクレルで、こちらも高い値でした。東電は、原因が今回の漏水によるものかどうかは調査中としています。
50代作業員骨折
東京電力は2日、福島第1原発で下請け会社の50代男性作業員が作業中に左手首を骨折したと発表しました。
男性は5月31日夜、排水路の付け替え作業中、はしごの上でバランスを崩し、高さ1・5メートルのところから飛び降りた際に骨折しました。原発構内の医療施設で骨折と診断され、福島労災病院(いわき市)に搬送されました。
(「しんぶん赤旗」2014年6月4日より転載)