日本共産党の井上哲士議員は5月28日の参院原子力問題特別委員会で、再稼働審査が進められている九州電力川内原発の周辺に点在する火山の噴火で火砕流が同原発を襲う可能性を専門家の見解をもとに指摘しました。
原発再稼働の新規制基準は、破局的噴火で原発敷地に火砕流が届くような場合は「立地不適当」だとしています。姶良カルデラ噴火(約3万年前)の再現シミュレーションの結果、川内原発の敷地内に火砕流が到達していたことは、九電自身も認めています。
井上氏は、原子力規制委員会が新基準の作成にあたって、火山噴火予知連絡会に相談していないことを明らかにさせたうえで、同連絡会の藤井敏嗣会長が「過去の噴火間隔から次の噴火時期を予測することは困難」だとしていることを示し、「川内原発は立地不適当だ」と迫りました。
田中俊一原子力規制委員長は「(噴火の前兆が)数年前に分かることが望ましい」などと答弁。井上氏は「専門家の知見を正面から受けとめるべきだ」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2014年6月4日より転載)