政府は5月27日、原子力規制委員会の委員4人のうち、9月に任期切れを迎える2委員の後任に田中知・東大大学院教授(64)と石渡明・東北大教授(61)を起用する国会同意人事案を衆参両院に提示しました。いずれも任期は5年。
田中氏は原子力工学が専門で、日本原子力学会会長などを務めました。石渡氏は地質学が専門。両氏は9月に退任する島崎邦彦(元地震予知連絡会会長)、大島賢三(元国連大使)両委員の後任。規制委は委員長と委員4人で構成し、安倍政権が再稼働を目指す原発の安全審査を行います。
政府が提示した人事案は、由中、石渡両氏を含めて6機関17人で、今国会中に衆参両院で採決される見通しです。
自民党が人選に注文
原子力規制委員会の人事をめぐっては、昨年(2013年)12月に自民党「原子力規制に関するプロジェクトチーム」(座長・塩崎恭久衆院議員)が「緊急提言」をまとめました。そのなかで島崎委員が敦賀原発の敷地内の破砕帯について「活断層の可能性が高い」と発言したことを名指しで問題視。委員の人選などについても政府に注文をつけていました。
この提言の作成過程には、後任の規制委員候補の田中知氏もかかわっています。
(「しんぶん赤旗」2014年5月28日より転載)