東北電力は5月26日、敷地内に活断層があると指摘されている東通原発1号機(青森県東通村、出力I10万キロワット)について再稼働の前提となる新規制基準の適合性審査を、6月にも原子力規制委員会に申請する方針を固めました。近く青森県と東通村に安全協定に基づく事前了解を要請。地元了解を得た上で審査に進み、2015年7月を目指す再稼働に向けた準備を急ぐとしています。
東通原発の敷地内にある断層をめぐっては、規制委の専門家調査団が活断層の疑いがあるとして調査しています。東北電は断層の活動性を否定しており、断層評価の結論を待たずに審査を申請することになります。
東北電は再稼働に備え、東通原発で想定される地震の最大の揺れ(基準地震動)を450ガルから600ガル程度に引き上げると今年1月に表明。免震重要棟設置を含む耐震対策を進めています。
放射能濃度上昇3地点で最高値・・福島第1
東京電力福島第1原発で放射性物質に汚染された地下水が海へ流出している問題で、東電は5月27日、26日に採取した地下水と港湾内の海水の放射能濃度が3地点で過去最高値を更新したと発表しました。この間、地下水、海水ともに放射能濃度が過去最高値を更新する傾向が続いています。
東電によると、2号機海側の地下水から1リットル当たり9600ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を検出しました。
また、2、3号機の取水口間で採取した海水から、同880ベクレルの全ベータを検出。3、4号機の取水口間で採取した海水から、同590ベクレルの全ベータを検出しました。
(「しんぶん赤旗」2014年5月28日より転載)