日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > カフェ屋根に太陽光パネル・・「顔のみえる」エネルギーで暮らそう♪

カフェ屋根に太陽光パネル・・「顔のみえる」エネルギーで暮らそう♪

設置される太陽光パネルを背に、工事担当者(手前)の説明を聞く人たち=5月12日、京都市
設置される太陽光パネルを背に、工事担当者(手前)の説明を聞く人たち=5月12日、京都市

 どこでどのようにつくったかが分かり、納得して使える「顔のみえるエネルギー」で生活したいと、市民によるエネルギー自給の試みが始まりました。
(前田美咲)

 京都市左京区のカフェ「かぜのね」の協同経営者が呼びかける「顔のみえるエネルギーを拡(ひろ)げるプロジェクト」です。カフェや2階に併設する貸事務所の利用者、インターネットで情報を得た人たちが賛同します。

 5月中旬、カフェの前を通る人が、次々に屋根を見上げて歩いていきます。プロジェクトの第一歩として行われた、太陽光パネルの設置工事と見学会の1こまです。カフェの入る2階建ての建物の屋根にパネルを設置。カフェが昼間使う電力をまかない、余った分を関西電力に売電する計画です。年間の総発電量は毎時約3800キロワットを見込んでいます。

 見学会で、工事担当者の説明を受けた参加者は「パネルを製造する際に使ったエネルギーを回収するにはどれくらいかかるか」などと熱心に質問、意見交換しました。

 

ネットで資金を募り電気使い方見つめ直す

 2階に事務所を構える渡邉知栄さん(45)は「朝から工事の音がガンガン響いていた」とわくわくした様子。「節約のために節電しなきゃくらいの考えだったが、これからは何にどう電気を使うか考えたい」と話しました。

 設置資金の一部を、とりくみに賛同する人からの寄付でまかないます。賃貸住宅に住むなど、個人では自然エネルギー導入が難しい人でも募金し、情報を共有することで、エネルギー転換の主体になれるようにとの考えです。

 これまでに50人余から計約86万円が寄せられました。店頭での募金に加え、インターネットを通じて資金提供を募ります。寄付は5月末まで行う予定で「参考にして後に続きたい」と、東京など府外からも送金があるといいます。

 カフェの協同経営者の1人、春山文枝さん(44)は「電気をつくるだけでなく、エネルギーをじゃんじゃん使う今までの生活を見つめ直すきっかけにもしたい」と語ります。

 カフェではこれまでも、雨水タンクを利用したり木くずなどを燃料にするペレットストーブを活用するなど「人や自然に負荷をかけない生活」を実践してきました。

 プロジェクトが発足したのは今年1月。政府が原発再稼働をもくろみ、エネルギー政策が原発事故以前に戻ろうとしていることに危機感をもち「原発に頼らない方向を実践で示そう」と始まりました。

 春山さんは「今まで、エネルギーが生み出されるまでに犠牲になった人や環境に思いをはせきれなかった。将来にツケが回るような電気の使い方も含め『遠くの誰かの犠牲』を伴う状態を抜け出したい」とプロジェクト名に込めた思いを説明します。

 今後、発電の試行錯誤の過程を賛同者と共に学びながら、カフェ周辺の地域に合った方法を模索・実行していきたいとしています。将来は、同様のとりくみをする店舗を増やすことで、地域で自然エネルギーのネットワークをつくることも考えています。

 

プロジェクト連絡先

〒606-8204 京都市左京区田中下柳町7の2

075(721)4522  http://www.kazenone.org

(「しんぶん赤旗」2014年5月18日より転載)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です