安斎育郎立命館大学名誉教授ら京都の学者や著名人がよびかけた原発ゼロ・ 「京都アピール」は5月17日、京都大学(京都市左京区)で、6回目となる講演会を開き、230人が参加しました。
安斎氏、大島堅一立命館大学教授がパネリストを務めました。
安斎氏は、福島県の保育園での被ばく線量の実態調査の取り組みなどを紹介し、「根拠なく被害を過大評価することも被害者のストレスを増大させる」と指摘。日本に原発が増えることになった背景を見抜いて、主権者として行動することが大事だと話しました。
大島氏は、安倍内閣が閣議決定したエネルギー基本計画で位置づけられた原子力のごまかしを指摘。原発は事故後に長期に停止しており「安定供給性」はないこと、出力調整が困難で「変動が少ない」のは利点ではないこと、事故コストなど社会的費用を無視しており「運転コストが低廉」ではないと批判。
原発事故の損害賠償や廃炉の費用のほとんどが国民や消費者に転嫁される仕組みがつくられていることに触れ「東電をつぶさないことが自己目的になっており、損害賠償や廃炉を適切にすすめる障害になっている」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2014年5月18日より転載)