「大渦で知られる鳴門海峡の潮流エネルギーは原発4基分に相当する」。徳島県が徳島大に委託して実施した潮流発電の基礎調査で、こんな結果が判明しました。
潮流の速い海峡部を中心にした約40平方キロの範囲を165ヵ所に区切り、大潮時の最大流速と海中断面積の平均値などから各区域の潮流エネルギーを試算しました。この結果、海峡中心部では最大260メガワット、全体では4ギガワットあることが分かりました。
一方、鳴門海峡は国立公園に指定されており、開発は厳しく制限されます。1日約350隻が往来する航路で、優良な漁場でもあります。
調査を委託された徳島大大学院の重光亨准教授(流体機械)は「理論的なポテンシャル(潜在的能力)で、そのまま発電できるわけではない。すぐに実用化できると考えず、継続的に技術開発や実証実験を続けていくことが大事だ」と話しています。
(「しんぶん赤旗」2014年5月18日より転載)