日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 再稼働ありきの姿勢鮮明・・参院予算委 井上議員が安倍政権を追求/汚染水漏れ・新規制基準

再稼働ありきの姿勢鮮明・・参院予算委 井上議員が安倍政権を追求/汚染水漏れ・新規制基準

4月23日の参院予算委員会で福島第1原発の事故収束問題と新規制基準について取り上げた日本共産党の井上哲士議員。事故収束を東電任せにし、再稼働ありきで新たな「安全神話」をつくろうという安倍政権の姿が浮かびあがりました。

汚染水漏れ 
井上氏 絶対海に出さない約束を・・東電 「安易に放出しない」

13-04-24inoue-1 福島第1原発では、使用済み核燃料プール冷却停止に続いて、地下貯水槽からの汚染水漏れ、再び冷却装置停電など重大事故が続いています。

「国民、福島県民は怒っている。どんな対応をしたのか」

井上氏は東電に対し、▽貯水槽の防水シートは産業廃棄物用シートを転用▽同シートの破損事故を「承知していた」と認めながら使っていた▽昨年(2012年)8月には「空タンクを用意しておいてすぐそちらに移送する」と述べていながら別の貯水槽への移送で再び漏水−と指摘し、東電の責任を追及しました。

井上 いずれ海に捨てるのだからタンクの増設など必要ないと考えたのか。

広瀬社長 安易に放出するとは考えていない。

井上 安易でなければいいのか。汚染水を放出したら、漁業や環境への被害は重大だ。

他党の議員からも「そうだ」の声。

井上氏は福島県漁連が海洋に放出されない根本的対策を確立するよう要望書を提出していることをあげ、「あらゆる手だてをうち、絶対に汚染水の海洋放出をさせないことを約束せよ」と迫りました。

旧原子力保安院も政府も東電任せにしてきました。田中俊一原子力規制委員長は「保安院が認可した」と人ごと。井上氏が「規制機関としての責任が感じられない」と批判しました。福島原発について田中委員長は「非常に不安定な状況、リスクがいろいろある状況」と委員会で述べています。

ところが、政府の「福島第一原発廃炉対策推進会議」の第1回会議で、「同発電所が安定状態を継続している」と確認しています。

井上 規制委の認識と逆だ。総理も「安定状態を継続」という認識か。

茂木敏充経産相 全体として安定した状態といえない。温度は安定状態。

安倍晋三首相 炉は安定的状況。廃炉に向けてさまざまな課題があるので取り組んでいく。

井上 安定状態という認識ではまともな対策はとれない。「事故は収束していない」と宣言し、国が責任をもって本腰いれて事故収束にあたるべきだ。

 

新規制基準 
井上氏 放射性物質を外に出すのか?・・経産相 「政府はコメントしない」

「事故収束」もままならない中で、原発再稼働を判断するための新しい「規制基準」が打ち出されています。

井上氏が福島の事故原因は解明されたのかとただすと、広瀬社長は原子炉格納容器の破損場所も放射線量が高過ぎて確認できないと答弁。田中委員長も▽地震動による重要設備への影響▽格納容器の破損箇所の特定-などの検証課題が山積していると述べました。

井上 事故は収束せず、原因究明も尽くされず、なぜ「世界最高の安全」などといえるのか。

首相 事故の経験と世界的知見を生かして世界最高水準のルールをつくっていく。

井上 究明も尽くさず「最高の安全」などというのは新たな「安全神話」だ。

井上氏は、「新基準」が原子炉の構造を見直すのではなく、放射性物質排出を従来より減らすといわれている「フィルターベント」の設置でよしとし、重大事故が起きた場合の敷地境界線量の基準をなくしてしまったことを追及しました。

「今までから比べれば低いレベルに収まる」と答える田中氏に対し、井上氏は「低く抑えられる根拠はない。基準をなくすのは明らかな後退だ」と指摘しました。

井上 放射性物質を外に出し、福島のような地域をつくる前提でいいのか。

茂木敏充経産相 規制委で判断する。政府のコメントは差し控える。

井上氏は「安全を保証しきれない『規制基準』で再稼働するという首相の主張は成り立たない」と批判しました。田中氏は「安全は″究極の目標″だ」と無責任な発言。首相も「重大事故は最小限に食いとめる」と述べ、重大事故が起こることを認めながら被害が小さくすむかのようにごまかしました。

井上氏は「再稼働ありきの『規制基準』づくりでなく、事故の原因究明と収束のために全力を尽くし、再稼働をやめ、全ての廃炉に踏み出す『即時原発ゼロ』を決意すべきだ」と求めました。

 

首相らの答弁 つじつま合わぬ・・長野からの傍聴者

日本共産党の井上哲士参院議員は、4月23日の参院予算委員会での質問終了後、参院選の活動地域である長野県から傍聴に訪れた15人の支援者らと交流しました。

井上氏は「みなさんの応援を背に勇気百倍で質問に臨むことができた。安倍内閣が原発にまともな姿勢を持っておらず、新規制基準が再稼働のためということが明らかになった」と振り返りました。

長野市から来た太田菊栄さん(76)は「安倍首相や茂木経産相の答弁がのらりくらりとして、何を言っているかよくわからなかった。再稼働ありきだから、答弁のつじつまがあわなくなっているのではないか」と話します。

窪田俊介東御(とうみ)市議は「他党議員の声援を受けながら井上さんが質問しているのに驚いた。田中原子力規制委員長が『安全は究極の目標』と言っていたが、首相の言う『世界最高水準の安全基準』のでたらめさがよく分かった」と語りました。

交流のなかでは「井上さんの気迫で、緊張感のあるやりとりになった。この人を今度の参院選で、また国会に送りたい」などの感想が語られました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です