原発再稼働の前提となる安全審査で、関西電力は5月9日、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)で想定する地震の揺れ(基準地震動)を申請時の700ガルから856ガルに引き上げる方針を示しました。同日開かれた原子力規制委員会の審査会合で表明しました。
関電は昨年(2013年)7月の申請時、大飯原発の基準地震動を700ガルとしていましたが、審査の中で、規制委から三つの活断層(全長計約64キロ)の運動の考慮を求められ、759ガルに引き上げました。
さらに規制委は、関電が約3・3キロとしていた想定する地震の震源深さを、より大きな揺れにつながる3キロにすべきだと指摘していました。
この日の会合で関電は、これまでの規制委の指摘を受け入れ、試算結果として新たに856ガルの基準地震動を提示しました。
これに対し規制委は、未知の活断層に備えて想定する地震の揺れの検討などが不十分と指摘。島崎邦彦委員長代理は「まだいくつか検討のポイントが残っている」と述べ、判断を保留しました。
(「しんぶん赤旗」2014年5月11日付けより掲載。写真=山本雅彦)