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新規制基準 放射性セシウムの放出量・・「100テラベクレル下回ること」記載/規制委新たな「安全神話」に

原発の新規制基準づくりを検討している原子力規制委員会の専門家チームの会合が5月24日開かれ、4月に規制委が了承した新規制基準案に対する意見公募の結果を議論しました。規制委は、原発で重大事故が起きた場合に放出される放射性物質の目標値について「セシウム137の放出量が100テラベクレル(1テラは1兆ベクレル)を下回っていること」と、審査ガイドに記載することを明らかにしました。

この値は、規制委が4月10日に決定した、原発の「安全目標」で示されたもので、東京電力福島第1原発事故で放出されたセシウム137の100分の1に当たる100テラベクレルを超える事故の発生頻度は、100万年に1回程度を超えないようにという目標値です。しかし、決定した時、田中俊一委員長は、安全目標は「規制基準ではない」と述べていました。

現在、新規制基準への適合状況を審査が始まっている関西電力大飯原発3、4号機についての会合でも、関電が原子炉格納容器は機能を喪失した場合の放射性物質の放出量を「100テラベクレルを下回っている」とする評価書を提出しています。

福島第1原発事故が起きるまで、国や電力会社は「炉心損傷や放射性物質が漏れる事故は工学的には起こり得ない」と言い続け、対策をとらない言い訳に使ってきた経緯があります。「安全神話」の象徴の1つと受けとめられています。セシウム137を100テラベクレルまで放出できることを基準にして原発を動かせるようにするというなら、新たな「安全神話」づくりにほかなりません。

新規制基準案に対する意見公募には2000件余が寄せられました。

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