東京電力福島第1原発事故で、全域が立ち入り禁止の警戒区域とされた福島県双葉町が5月28日午前0時、放射線量に応じて2区域に再編されました。これで第1原発の半径20キロ圏内に設定されていた警戒区域は全てなくなりますが、放射線量が高い地域は帰還困難区域として原則立ち入り禁止が続きます。
避難指示区域が設定された11市町村のうち、再編が終わっていないのは計画的避難区域が残る川俣町だけになりました。
第1原発5、6号機がある双葉町は、再編で全住民約6500人の96%が住んでいた地域を帰還困難区域、残りを避難指示解除準備区域としました。県警は警戒区域の境界付近に設けていた検問を撤収。代わりに政府が立ち入り制限や防犯などのためバリケードを設けました。
双葉町の伊沢史朗町長は27日夜、記者団に対し、「町民の生活再建につながる東電への土地や建物の賠償を請求することができる」と区域再編を評価した。
原発20キロ圏に掛かる9市町村の避難区域の住民は約7万6000人で、このうち比較的放射線量が低い居住制限区域と解除準備区域は計約5万1000人。両区域とも宿泊はできませんが、住民は日中なら自由に出入りできます。
一方、事故前に約2万5000人が住んでいた帰還困難区域は、原則立ち入り禁止。3区域とも除染やインフラ復旧のめどが立っておらず、住民の帰還時期は見通せていません。