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東京都心で震度5弱・・震源は伊豆大島近海 16人けが

早朝に発生した地震の影響で、列車の遅れを知らせる電光掲示板=5月5日午前6時33分、JR東京駅
早朝に発生した地震の影響で、列車の遅れを知らせる電光掲示板=5月5日午前6時33分、JR東京駅

 5月5日午前5時18分ごろ、伊豆大島近海を震源とする地震があり、東京都千代田区で震度5弱の揺れを観測したほか、東北から中国地方の広い範囲で震度1以上の揺れが起きました。気象庁によると、震源の深さは162キロと深く、地震の規模(マグニチュード)は6・0と推定されます。津波は起きず大きな被害はありませんでしたが、総務省消防庁によると、首都圏で16人が負傷しました。

 千代田区の震度5弱は、東日本大震災が起きた2011年3月11日に震度5強を観測して以来の強さ。

 各地の消防などによると、川崎市で女性(66)が転倒し骨折したほか、横浜市で落ちてきた時計や額縁が当たるなどして4人が負傷しました。都内でも8人が負傷、埼玉県所沢市で1人、千葉県市川市と木更津市で計2人が軽傷を負いました。

 JR東日本によると、上越・長野両新幹線は一時、大宮─熊谷駅聞で速度を落として運転し、最大15分の遅れ。東北、秋田、山形の各新幹線に影響は出ていません。

主な各地の震度は次の通り。

震度5弱=東京都千代田区

震度 4=東京都港区、調布市、栃木県鹿沼市、群馬県安中市、さいたま市、千葉県市原市、横浜市

震度 3=宇都宮市、前橋市、埼玉県行田市、千葉市、神奈川県藤沢市、福島県白河市、水戸市、新潟県刈羽村、山梨県富士吉田市、長野県佐久市、静岡県伊豆市

 

「首都直下」とは違う仕組み・・プレート深部で発生

 東京都千代田区で最大震度5弱を観測した地震について、気象庁の長谷川洋平地震津波監視課長は5日朝の記者会見で、政府が被害を想定する首都直下地震や相模トラフ沿いの大地震とは「関連性が低いと考えている」と述べました。今回の地震によって誘発される可能性についても「正確には分からないが、影響を及ぼすことはないと思う」との見方を示しました。

 関東の地下は、陸側プレートの下に東から太平洋プレートが、南から相模トラフ沿いにフィリピン海プレートが沈み込む複雑な構造をしています。5日の地震は深さ162キロの太平洋プレート内部で起きました。首都直下地震などは浅い活断層かプレート境界で起きると考えられており、仕組みが違います。

 太平洋プレート内部では今回のようにマグニチュード6級の地震が起きることがあります。震源が伊豆大島近海なのに千代田区だけ震度5弱が観測されたのは、深い所からプレート内部を経由して地上に揺れが伝わる経路によって、たまたま揺れが強くなった可能性があります。

 千代田区の地震計は大手町の気象庁近くに設置されていますが、周辺の地盤が弱くて揺れが増幅されたとは考えられないといいます。

 長谷川課長は「一般的に震源が深さ100キロを超える地震はほとんど余震が発生しないが、念のため数日間は余震に注意してほしい」と述べました。

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