放射能1日で33倍・・福島原発 汚染水誤送先 周辺井戸
東京電力福島第1原発で、高濃度の放射能汚染水が予定されていない建屋に誤って移送された問題で、東電は5月2日、この建屋付近のくみ上げ用井戸で1日に採取された水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり430ベクレル検出されたと発表しました。
前回採取した4月30日の値は同13ベクレルで、約33倍に上昇。東電は降雨の影響で地中の放射性物質が井戸に流れ込んだとみています。
東電によると、4月30日から1日までの降雨量は計66ミリ。この井戸の水の分析を始めたのは先月24日で、30日までは雨が降っていませんでした。建屋内の水位も変動がないといいます。
福島第1原発では先月14日、放射性物質を含む汚染水約203トンが処理工程で誤って移送されたことが発覚。建屋内には1リットル当たり5400万ベクレルのベータ線を出す放射性物質を含む汚染水がたまっています。
川内原発 提出補正書に漏れ・・規制委、再提出必要
原発再稼働の前提となる安全審査で、優先審査対象となっている九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)について、原子力規制委員会は5月2日の定例会合で、九電が提出した補正申請書に記載漏れがあったと明らかにしました。
これまでの審査の指摘事項を反映した補正申請書は、審査書案の作成に不可欠。規制委は5月8日、九電に再提出を求めます。
事務局の原子力規制庁は2日、九電が4月30日に提出した補正申請書には、航空機が川内原発近くに墜落したことを想定した火災発生の記載がないなど、不備が見つかったと指摘しました。更田豊志委員も「書かれているべきものが書かれていないことが少なからずあると聞いている」と述べました。
(文=「しんぶん赤旗」2014年5月4日付けより転載。図=山本雅彦)