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友だちと別れたけれど、みんなと勉強楽しい・・全村避難の葛尾村 小中学校が再開

東京電力福島第1原発事故で全村避難を続けている福島県葛尾(かつらお)村が、小学校と中学校を4月から2年ぶりに再開させました。村の子どもの約2割が通います。(中村秀夫)

再開した場所は、村が役場機能を移転した三春町です。同町には村の仮設住宅が9カ所計440戸あり、村民1500人の6割がいます。

13-06-17tizu19人が通う

校舎は、統合で使わなくなった要田中学校を小中合同で使っています。通うのは、小学生14人、中学生5人。住民登録上の村の小中学生106人の18%です。

3月まで通っていた三春町立の岩江小学校・岩江中学校には、小中学生23人が引き続き通っています。残りの小中学生64人は町外です。

小学校5年生の松本玲於奈さん(11)は「仲良くなった友だちと別れたけど、いまの学校で(葛尾村の)みんなと勉強したり、遊んだりして楽しい」といいます。

小学校の和田安吉校長は「避難と転校を繰り返してきた子どもたちです。やっと自分の学校に通えるという喜びを感じます」、中学校の波立真一校長は、「悩んだ末に気持ちを整理してやってきた子どもたちにきちんとこたえたい」といいます。

1学級の子ども数は多い学年で4人。学年を合わせた複式学級にせず、教師を加配し、各学年が1クラスずつの単式学級としています。約3キロ離れた場所に、町立小中学校を再開している富岡町の小学校と合同体育の授業も6月6日から始めています。週4日、村の負担で放課後、村営塾を学校で開いています。

再開した葛尾村の小学校で1年生は1人だけど元気です。=福島県三春町要田
再開した葛尾村の小学校で1年生は1人だけど元気です。=福島県三春町要田

中学3年生は吉田光英くん(14)1人です。「とまどいやさびしい気持ちもあったけど、ていねいに授業をしてくれるし、1年生2年生や先生たちとよく話して、楽しいですよ」といいます。

中学校の、ことしの総合学習のテーマは「ふるさとの復興を考えよう」。一人ひとりが課題を設定し調査し、町民にアンケートしてまとめる計画です。小学校も豆、イネ、ソバなどの体験学習を村の人たちとすすめます。

4年生男児の父親、吉田健さん(41)は、「村のコミュニティーをつくるうえでも学校はだいじだ」と期待しています。

帰還は未定

村は3月、避難区域を再編し、人口で87%の地域を、早期帰還をめざす避難指示解除準備区域に指定。2年後の帰還をめざしますが、学校の帰還時期は未定です。

葛尾村が再開した結果、避難先で学校を再開していない町村は双葉町だけになりました。

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