福井県と美浜市、敦賀町は6月16日、国などと合同で関西電力美浜原発(美浜町)の緊急事態を想定した原子力防災訓練を実施しました。約120の機関が参加し、同原発から5キロ圏内に住む美浜町、敦賀市の住民約1000人の4分の1にあたる約260人が避難訓練に加わりました。
今回の訓練は、若狭湾沖で地震が発生し、美浜3号機が全交流電源喪失で原子炉冷却機能を一時失った後復旧すると想定。広報では、なおも「万一事故が発生しても、放射性物質による影響をなくすために、何重もの安全装置を設置しています」としています。
避難は、バスや自衛隊車両、ヘリ、船、自家用車などを使い、災害時要援護者を、30キロ以上離れたおおい町の福祉避難所などに搬送。美浜町の一般住民を大飯中学校(おおい町)に、敦賀市の住民を羽生小学校(福井市)に搬送しました。
甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤は、自治体から対象地域の一時集合場所に配布されました。
東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発から30キロ圏をめどに自治体に求められる原子力防災計画の策定が、対象21道府県では福井県だけ未策定となっています。