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「活動に制限」5割超 「健康」でわずかに「よい変化」も・・放射線教育「難しい」は8割超

福島県の市町村教育委員会、PTA連合会、福島大学などの教育団体がつくる「大震災後の福島県の教育復興を進める会」はこのほど、県内の全小中学校にアンケート調査した結果をまとめました。東京電力福島第1原発事故から2年。わずかに「よい変化」があるものの、活動にまだ困難や制約があり、子どもたちの成長に課題が多く、教員増など条件整備が切実であることが明らかになりました。
(中村秀夫)

葛尾中学校で3学年5人がいっしょの音楽の授業=福島県三春町要田
葛尾中学校で3学年5人がいっしょの音楽の授業=福島県三春町要田

アンケートは2012年12月から13年1月にかけ実施。全723校の79%にあたる573校が回答しています。千葉養伍・福島大学教授らがまとめました。

教育活動(カリキュラム)の実施について、会津・南会津を除くすべての地域の小学校で「一部困難さや制限がある」が50%を超えていました。

1年前の調査で小中とも70%を超えていたのに比べ減ってはいますが、屋外活動、部活・行事の時間制限や、避難先の間借り校舎で施設設備が不十分な状態がいまなお続いています。

体力テストの数値低下など、多くの学校が体力低下(とくに走力と持久力)を指摘しています。

健康は、1年前の調査でほとんどなかった「よい変化が見られる」がわずかですがありました(4%、24校)。「体調不良や病気欠席が減った」、「運動ができるようになり元気が見られる」などです。

生活態度は、「落ち着きがない」「集中力がない」と具体的課題が指摘される一方、諸活動への意欲的なとりくみが見られるなどの「よい変化」が微増しました。

教員の仕事量は「震災前と比べ依然として仕事量は多く、新しい仕事が増えている」との結果。内容は、「震災にかかわる学内外との連絡調整」が増え、「授業で屋外が使えないことへの対応」が減りました。

今後必要になる対応で多かったのは、小中とも「教育課程の編成・実施」と「放射線対応・安全確保」でした。第1原発をかかえる相双地区(南相馬市、双葉郡など12市町村)では「心のケア」(中学校)、「保護者等との連絡・対応」(小学校)が他地域より高い割合でした。

復興に必要な教育内容は、防災・安全教育、健康教育がトップ2。放射線教育は、ほとんどの地域で「難しい」が8割を超えました。その内容は「指導内容・方法が末確立」49%、「教員の理解の差、指導への不安」39%でした。

必要とされる条件整備は、施設の整備、環境放射線の低減、教員増、予算増がトップ4でした。

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