東京電力は7月5日、福島第1原発(福島県大開町、双葉町)の海側に新たに掘削した観測用井戸で同日に採取しに地下水から、放射性ストロンチウムなど、ベータ線を出す放射性物質(全ベータ)が1リットル当たり90万ベクレル検出されたと発表しました。近くの井戸では数千ベクレルの全ベータが検出されていましたが、今回の値は同原発の地下水で検出された値としては最大だといいます。
同原発では、昨年(2012年)に1~4号機タービン建屋の海側に設置した三つの井戸のうちの一つで5月下旬以降、1リットル当たり最高50万ベクレルの高濃度のトリチウムが検出され、海へ流出している疑いがもたれています。東電はその井戸の周囲に追加して井戸を四つ設置している最中で、この井戸はそのうちの一つ。
また東電は同日、同じく追加して設置された別の井戸の1日に採取された地下水からはトリチウム(3重水素)が過去最高の同51万ベクレル検出されたと発表しました。
福島第1付近海水・・トリチウム検出
東京電力は7月4日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の港湾付近の海水に含まれる放射性物質の分析結果を発表し、1~4号機取水口内北側で1日に採取した水からこれまでで最も高い1リットル当たり2200ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出したことを明らかにしました。
1~4号機取水口北側の海水に含まれるトリチウムは、今年4月15日に採取した海水では同110ベクレルでしたが、その後上昇する傾向がみられ、6月21日に採取した海水からは同1100ベクレル、24日採取分からは同1500ベクレルで、原発事故後では最高の値が検出されていました。
また東電は5日、同原発5号機中央操作室を巡回していた社員が午前3時45分ごろ、非常用ディーゼル発電機の異常を示すランプが点灯しているのを発見したと発表しました。ディーゼル発電機が待機状態になっていないことを示していたといいます。調査したところ、ディーゼル発電機への燃料供姶の状態を検出する回路が誤動作していたと分かりました。誤動作の原因は調査中だといいます。